アスカロン Ascalon

所有者:聖ジョージ

3世紀頃 ヨーロッパ

出典:キリスト教伝承


 まず、断っておきますが、アスカロンの所有者聖ジョージは303年に殉教したと言われていますが、そのころに、画像のような剣が存在したとは考えられません。中世騎士物語で最も有名な聖人であること、ドラゴンを倒したという逸話などから滝がイメージしたものと考えて見て下さい。森Dragonにも売っていません。残念!

<聖ジョージの伝説>

 聖ジョージは、キリスト教における7人の英雄の一人で、前述したように303年に殉教したと言われています。

 イスラエルのある町では、凶悪なドラゴンの暴虐に怯えて暮らしていました。町では、ドラゴンの怒りを静めるため、毎年一人の若い女性を生け贄に捧げていたのです。その年は王女クレオドリンダの番だったのです。そこに現れたのが旅の途中の聖ジョージでした。彼は王女の助けもあって、見事魔法の剣アスカロンによってドラゴンを倒したのです。

 ジョージは、この戦いの功績により聖人となり、同時に悪との終わり無き戦いへと身を投じていったのです。彼の姿は、馬上の鎧武者として描かれ、盾にはドラゴンスレイヤーを象徴する竜の意匠が描かれ、槍の穂先には白地に赤の十字の旗がはためいているのです。倒れても倒れても立ち上がり、悪を倒していく彼の姿は常緑樹に例えられ、常に葉を茂らせながら、もし灰になるまで戦ったとしても、その灰からは次の樹が生まれるのです。

 そして彼の生涯は、キリスト教の悪への勝利を象徴しているのでしょう。

 イギリスでは、14世紀のエドワードⅢ世が、イギリスの守護聖人と認めたため、中世騎士物語でも最も名の知られた聖人となりました。そして、今でも4月23日は「St.George's day 聖ジョージの日」として祝いの日となっているのです。

(ロシアでは、彼は月に対する信仰と結びつき、天界と地上を結びつけ、幸運を司る存在として信仰されています)

<ドラゴンスレイヤー>

 竜を倒した英雄とその剣は世界各地で多数語られています。ベオウルフとフルンティング(ただし、竜を直接倒したのはフルンティングではなく名もなき短剣ですが)、アーサー王とエクスカリバー、スサノオと天羽々斬(十握剣)(八岐大蛇を倒した結果手に入れたのが、天叢雲剣・草薙の剣)、シグルドとグラムなど、枚挙に暇がありません。

 竜を倒すのは多くの場合剣であり、そのため竜を倒した英雄やその剣のことをドラゴンスレイヤーと呼ぶのです。(そう言えば、「ロードス島戦記」自由騎士パーンもドラゴンスレイヤーですね) しかし、イギリスでは最も高貴な英雄として、聖ジョージが挙げられ、アスカロンこそが真のドラゴンスレイヤーであると言われているのです。


↑ St. George and the Dragon, 1504-06, oil on wood, The National Gallery of Art at Washington D.C.


参考文献「聖剣伝説」佐藤俊之とF,E,A,R著 新紀元社

Some of the photos on this site provided courtesy of By The Sword Inc.

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