ジャンビーヤ jambiya

17世紀~現代 中近東(アラビア) 長さ 20~30㎝ 重さ 0.2~0.3㎏

アラビアに見られる湾曲した短剣で、柄と鞘には様々な形があり、時代や地域によってその形式は違います。典型的なものは、両刃で、刃の中央に溝があります。鞘は、湾曲した刀身に併せて反っており、抜きやすくするために刀身よりも長く作られています。柄や鞘の装飾は、イスラム工芸の結晶とも言えるもので、金銀の透かし彫りや色石をあしらって、芸術的にも優れたものと言えるでしょう。また、柄は動物の角、とりわけキリンの角で作られることも多かったようですが、これはキリンの角の黄色が似合うと考えられたからです。

 <歴史>

  ジャンビーヤは、アラビアを起源とし、オスマン・トルコからペルシャ、インドまで広く使われました。戦闘の為には勿論、宗教的な儀式にも使用されました。アラビア半島の諸国では割礼や結婚と言った儀式の際にも身につけるものとされています。また、これを所有していると言うことが自由人としての証であり、誇りです。没収されることは名誉剥奪の刑に相当するのです。かのアラビアのロレンスも、アラブの民が彼を受け入れたことの証として、ジャンビーヤを与えられたと言うエビソードが残っています。アラブの民が彼を仲間として認めたと言うことで、とても名誉なことだったのです。 ジャンビーヤのバリエーション  モロッコでは、ジャンビーヤの刀身は直刀で、先端のみ両刃の「疑似刀」の形式になっています。また、平らなポメルがついていて、その大きな形から「クジャクの尾(peacock's tail)」というあだ名で呼ばれています。  トルコでは、刃はわずかにカーブしているだけで、溝もあったりなかったりと、様々なタイプがあります。また、鞘の先端もアラビアのものと違って丸まっていません。  最も美しいジャンビーヤは、インドやペルシャのものといえます。ダマスカス鋼を用いた刃には、美しい波紋模様に加えて金の打ち出し模様や象眼が施され、柄には象牙や翡翠、時には貴石のように高価なものがはめ込まれていました。ポメル(柄頭)は、湾曲して馬の形をしているものもありました。鞘は銀製や木製で、細工した革やシルクのブロケードが巻き付けてありました。

引用:『アラビアのロレンス』(Lawrence of Arabia)は、T.E.ロレンスの生涯とその著書「智恵の七柱(英語版)(1926年)」に基づいた、英国の壮大な歴史映画。1962年公開、デヴィッド・リーン監督、ピーター・オトゥール主演


引用 滝瓶太郎SwordWorld

参考文献「武勲の刃」市川定春と怪兵隊著

新紀元社 「武器辞典」市川定春著 新紀元社

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